BB_nouriN’s blog

静岡県西部の山守一族

管理放棄地が間伐されない事で何が起きるのか。植栽する木の種類は何が適当なのか。

前回、S字道路部は適正に管理されなければ落ちる可能性が否定できないと言いましたが、

それに関連して、北側の広大な斜面はどうなのか。今回はそれを解説いたします。

まず、この地域の山の特性について、専門家の意見で一致している「元々崩れやすい」について。

崩れやすい山が何故今まで崩れなかったのか。

この地域に住んで山を昔から管理してきた人は知っています。何を知っているかというと、【広葉樹】が植わっている事です。

理論的にか感覚的にかは分かりませんがそれを知っている。崩れやすい山に植わっているのは元来【広葉樹】です。

色分けしました。緑の範囲が元来の木。紫の範囲が地元の人が植栽した木。橙の範囲が地元の人でない人が植栽した木。

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本宮社の周辺をはじめ、元来この山に適した木である【広葉樹】の範囲は緑が生い茂っています。

紫で囲った範囲も、適切に処理さてれいるため、植栽に関しては問題ありません。

しかし、どうにも気になるのが、橙色の範囲です。現地で確認したわけではありませんが、おそらく【針葉樹】です。

この範囲を伐採後に植栽したと考えると、間伐材として利用価値の高い【杉】などが考えられますが、これは大きな間違いです。

【広葉樹】は、材木として扱いづらいので嫌煙されがちですが、元来崩れやすいこの山に、利用価値だけを理由に【杉】を植えるとどうなるか。

【広葉樹】と【針葉樹】の決定的な違い。それは重さです。

同一単位面積で比較すると、2倍~5倍の重量差があります。【杉】は重い。

この範囲に何本植栽したかわかりませんが、【杉】であった場合、【広葉樹】の同一面積との重量差が、それくらいになります。

時間経過と共に成長し、それに伴って重量が増えますので、植えた当初は問題がなく、20年くらいを目途に段階を追って本数を減らしていく必要があります。

軽い所は崩れ落ちませんが、重い所は崩れ落ちます。誰にでもわかる簡単な理屈です。

【杉】も、本来は緑色に茂るはずなのですが、おそらくこの山では土質が合っていません。逆に、台形造成部分の土は、植栽した【広葉樹】に対して土が合っていません。

あるいは、必要な養分が欠乏している可能性もあります。窒素とマグネシウムあたりが少ないので、育ちが悪く緑化も妨げられている。この辺は土壌分析の専門家に任せましょう。

次に、橙の範囲内にあった水の流れを書き足します。

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この水の通り道に、今現在、水が流れていない場合は早急に間伐が必要です。

次に、元来の【広葉樹】が種を飛ばして【針葉樹】域を侵食している部分を桃色で囲いました。谷ではなく尾根です。

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なぜこういう事になるのかというと、沢に近ければ近いほど水の動きが早いので、地面に落ちた種が定着しづらい。芽を出しやすい環境は尾根にあります。

侵食する必要がなければ侵食しないと思いますが、【針葉樹】部分を侵食しないと重くなりすぎて崩れる。そのために【杉】と連携を取って【広葉樹】が置き換わっていくという選択をしています。

ただ、沢のラインはどうしても置き換わりづらい。ここが重くなって限界を迎えたら落ちます。

その対策として、何が出来るのか。

まず、水量調査。本数調査。次に重量限界の算出。後に間伐。植栽。 の流れです。簡単です。

水量は専門家が出してくれるので現地調査して合致すればOK。本数は数えればいいだけです。重量限界も計算で出ます。間伐は、【杉】を60%程度にまで減らして【広葉樹】を新たに植栽すれば良いでしょう。

このへんの裁量は地元の林業関係者ならば感覚です。計算するまでもありません。お願いするだけでOKです。

北側斜面の管理については以上です。<m(__)m>