BB_nouriN’s blog

静岡県西部の山守一族

万の中の一を選択するちから

熱海の土砂災害の考察をたくさんやってきて、思う事があります。

 

ちょっと箸休めで書きますので、聞いてやってください。

 

私は、物心ついた頃から頭が理数系だったんです。小学校から高校にかけて、計算大好きで、なんでもかんでも数字で出さなきゃ気がすまなかった。そういう思考で生きていました。今思えば窮屈な事やってたなーと思います。

 

そんな理詰め大好きな私が、小学校4年か5年の時かな。桶屋のおじさんの作業場で、いつものように作業を黙ってじっと見ていると、おじさんが私に聞きました。おじさんが私に聞いたのは後にも先にもそれだけだったかなー。

 

お「円周率は習ったか?」

私「3.14でしょ?」

お「そうだな。だいたい3だ」

 

おじさんが言葉で何かを私に教えてくれたのは、唯一それだけ。

 

その後、3.14159265358979323 とか、憶えたりもしました。

 

でも、今の私は、だいたい3で生きています。

 

なんでかって、計算は人を狂わせるんです。

 

計算が合わなくなると、合うように合うように、あちらを変えこちらを変え、自分の思った通りの結果が出るように誘導する。それを無意識にやるようになる。

 

どうしてもバイアスがかかってしまう。客観性が失われる。その結果がどうなるか。

 

それが正しい数字なのかどうか、自分にもわからなくなる。だけど、どうしても正しいって思いたいんですよね。 頑張って出した答えだから。

 

日本の大工って、計算しないんですよ。 芸術家なんで。

 

桶も同じなんですけど、だいたい3で作れるんです。

 

1の長さのものがあったとして、丸にしたら1/3の直径になるし、1の直径の丸を作りたかったら、3の長さの物を用意すればいい。

 

1の長さはだいたい3で 3センチメートル(一寸)だったり 30センチメートル(一尺)だったり1.8メートル(一間)だったり、そんな感覚でやってるから、だいたい1で、だいたい3なんです。

 

それで綺麗にできる。どんな風に作っても、だいたい黄金比になるようになってるから。だいたい3っていう数字には、そういう凄さがあるんです。

 

さて、話が日本の寸法に逸れてしまいましたので、万本の中の一本の話に。

 

山で木を伐る時、まず1本を選びます。伐っていいかどうかは別にして、選ばないと伐れません。

 

同じように10本を選びます。次に100本を選びます。次は1000本です。

 

どれを伐りますか? 選べますか?

 

そんなの簡単じゃん!って思う人は、選んでみてください。

 

私がその1000本を私の責任において伐ります。

 

万本を選べますか? その通りに伐ります。

 

いやぁーそれはちょっと嫌だなーと感じる人は、おそらく正常です(笑)

 

一本を伐る時、万本の中からその一本を選ぶわけですが、その一本を伐ったらどうなるのか。それは伐ってみないとわからない。十でも百でも千でも万でもそれは変わらない。

 

逆に、万本切ったらどうなるかが分からなければ、万本の中の一本は選べない。そういうことです。

 

その1/10000を、計算で出そうと思うと、たいへんなんです。一本一本が全部違うから。平均値なんてないから。

 

それならばと、マニュアルを作って、5本間隔で1本づつ伐っていく。 とかしようとするじゃないですか。 そうすると、邪魔してくるんですよ。 真っ直ぐに並んでてくれないんです。

 

次の1本を、右の一本にするのか、左の一本にするのか、選択を迫られるわけです。

 

どうやったってマニュアル通りにいかないじゃん!無理ゲーじゃん。ってなるんです。

 

そういう時は、だいたい3でいいやって思って、こっちだなーと思う方を伐る。

 

そうすると、だいたいあってる。って思えるんです。ほんと気が楽です。

 

「これでよかった?」って聞くと、「おっけー」って答えてくれる。そういう寛大さがいいんですよ。山と共生してると、誰の責任だ!?なんてことにはならないんです。

 

「山が自分で自分が山だぞ?」 ウルセー(。>∀<。)ワカッテルワー!

 

以上でーす<m(__)m>